なめしによる革の種類
クロムなめし革
なめし期間が短く、経済性が優れている為、現在最も広く行われているなめし方法で、あらゆる革製品に用いられています。青い色をしており、色出しの際初めの青めを計算に入れないとならず、パステル系、淡い色は色が出せません。なめし剤の中で最も高い耐熱性が得られ、染色性、強度に優れている等の利点があり、製品革は軽くて柔軟で耐久力、保存性があります。水を吸収すると乾燥が遅いという特徴もあります。
※当社で扱っています革は、特になめしによるコメントがない場合は、クロムなめしの革になります。
植物タンニンなめし革
染色を行わない場合は茶褐色系で、光や熱また風により暗色化しやすいです。クロムなめし革と比べると、伸び、弾性が小さく、耐熱性も劣ります。色を染色する際、極端に濃い色目・淡い色目は色が出にくく真黒で染めようとしても墨黒程度になります。水を吸収すると乾燥は早いです。近年、環境や人にやさしいノンクロム・ノンメタルなどのエコレザーは注目視されています。
コンビなめし革(複合なめし革)
二つ以上のなめし剤を使う仕上げ方法、一般的にはクロムなめししたものを更にタンニンなめしをすることをいいます。特徴を組み合わせて、クロムとタンニンの長所を生かして欠点を補う効果があります。
油なめし革
代表的なものにセーム革、姫路白なめし革。動物油、魚油でなめす方法で、非常に柔軟で吸水性が良く、適度の親油性をもち、洗濯が可能です。手袋、自転車の窓ガラス、レンズ、貴金属などの汚れ落とし、ガソリンのろ過などに用いられています。
その他
ホルマリンなめし、ジルコニウムなめし、アルミニウムなめし、などがあります。主に使用するなめし剤により区別されますが、これらの生産はかなり少なくなってきています。
(東京都立皮革技術センター/兵庫県皮革産業協同組合連合会 参照)
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