革のできるまで
原料皮
原料の皮には、まだ毛がついている状態で腐敗を防ぐ為に塩づけなどで保存処理を施します。
※豚皮は国内自給が主体ですが、馬皮とかは輸入革(一部国産)になります。
当社の馬革原皮は現在ほとんどが国産となっております。
生皮ですので輸入する際には、肉と同様に検疫証明書が必要となります。これは飼育時に伝染病にかかっておらず、健康であったという証明書で、これがないと輸入することが出来ません。
- 豚皮の原皮
- 積まれた馬皮の原皮
奥の木造の作りの機械が、毛や油分など除去する為のドラム(タイコ)になります。
準備作業に必要となります。
■原皮自身は食肉の副産物として出てくるものになります。
(馬革の希少性は馬肉の流通にも関わりがあります)
原皮→
準備作業
- ●タイコ(ドラム)に原料皮を入れ水でよく洗い皮の裏面に付いている不要物を取り除いた後に薬品を入れて毛や油などを取り除きながら柔らかくしていきます。
※タイコ(ドラム)・・・準備作業の段階から、なめしや染色または、加脂までをドラムを使って行います。(通常のタイコは中が見れるような作りではありません)
←小タイコ(ドラム)中の動きの様子が見れるように透明になっています(試験用タイコ)
●厚みの調整(分割)やサイズにより背割り⇒半裁にして作業をしやすくします。 - ←1度に豚皮600枚〜1000枚の生産が可能な大タイコ
(600枚以下は使用不可になります→200枚位の通常タイコを使用)
水漬け→裏打ち→脱毛・石灰漬け→分割→垢だし→
鞣し(なめし)
- ●石灰の働きで皮をさらに柔らかくほぐし、表面をなめらかにします。そして鞣しに…
皮にクロム・植物タンニンなどの薬品を結合させ腐りにくい革にします。
←通常タイコ(左)・小タイコ(右奥)
●鞣し後、余分な水分を絞り取ったりと下記行程を進めていきます。
再石灰漬け→戻し→ピックル→なめし→水絞り→シェービング→再なめし→
染色・加脂
- ●染料で色をつけたり、油をくわえたりして革を柔らかくし、形を伸ばして乾燥させます。
仕上げの作業 機械拭き(下がベルトコンベアーになっています)
中和→染色・加脂→水絞り・伸ばし→乾燥→味入れ→ステーキング→
張り乾燥→
仕上げ
- ●機械でモミほぐしたり、スプレー塗装などで革の最終的な色-風合いを与えます。
またツヤや模様を付ける型押しなどを行い⇒大きさを計量され出荷されます。
←仕上げの作業 機械拭き ↑上の画像の中が左画像になります。
※機械拭き⇒上からさがっている棒が、噴出口になっており数ヶ所あります。
噴出口の棒は、円を描くように周り一回り約10枚の豚革(1枚150DS位)を一遍に染色します。10枚以下ですと塗料のほとんどが捨てられてしまいます。 - ←仕上げの作業 手拭き
少量の場合や特殊な作業が必要なときに手拭きは使われます。
個体差のある天然皮革を1枚1枚一緒に仕上げるのは至難のことになります。
作業をする人-環境により多少の色目-若干の雰囲気の違いは出てしまいます。
(通常は、人件費-時間などのコスト等をふまえて機械拭きで行われます)
塗装→ツヤ出し・アイロン・型押し→計量→製品革→
- 入荷革 豚革(ピッグスキン)在庫
検品後 荷札に品番・入荷日記載 - 入荷革 馬革(ホースレザー)在庫
検品後 荷札に品番・入荷日記載 - 当社2階の在庫置き場の一部です。
(一部 東京都立皮革技術センター 参照)
「革について」
- 革とは
- 革の特性と注意点
- 原皮の種類
- 製品革のバリエーション
- なめしによる革の種類
- 革の仕上げ方法
- 革の出来るまで
- 学術名