革の特性と注意点

革には独特の生体に基づく模様があり、吟面(銀面)模様の美しさに繋がります。毛穴・トラ・血筋・リブマーク(助骨の跡)・掻きキズ・焼印・虫穴は天然皮革の特徴です。又、水に弱い、色が落ちやすい、といった性質がありますが、それを上回る良さがあります。
例えば、保温性があり、通気性が良いのでむれにくく、丈夫で熱に強く、手触りや独特の風合いが有り、革製品は使い込むにつれて深い味わいが出てきます。ですので、同じものは二つとない事から長い間使っていると愛着も湧きます。

革は、水に濡れると革の耐熱性は低下します。したがって、乾燥状態では 、アイロン掛けも注意深く行えば可能です。しかし、蒸気アイロンの使用や革製品の水に濡れた部分のアイロン掛け、直射日光やストーブで乾かすようなことは、避けなければなりません。一旦熱変性を起こした革は、堅くもろくなり修復が不可能です。(詳しくは、【革製品/手入れ・保存方法】を閲覧下さい)
湿度が高くなれば繊維の間隙中に水分を容易に取り込み、湿度が低くなれば取り込んだ水分は容易に出て行きます。外気の湿度変化に応じて水分を取り込んだり放出したりする性質が、『革は呼吸している』という言葉で表現されています。よって、吸湿性、放湿性に優れた素材として革は最適です。
 
東京都立皮革技術センター 参照)
 

当社販売の馬革(ホースレザー)の特性

詳しくは「馬革(ホースレザー)」もご覧下さい。
 

馬革

大半は馬のキメ細やかな吟面を生かしたスムース的塗料仕上げで、色落ちなどの心配がなく、従来より高級靴の裏革、中敷等に多く使われている革です。ここ最近において小物系等からバッグなどまで使用されています。

厚さは0.6mm〜0.8mmです(厚さが異なる場合は商品説明に記載しております)馬革は牛革の様に繊維が太く不規則な並びではなく、細く密集し、規則正しい繊維の為、通常のハサミで裁てて又家庭用ミシンで縫うことが出来ます。繊維が細いからといって強度が弱いわけでもありません。特に婦人靴のサンダルなどでも切りぱっなしでもほつれていかないほど繊維の絡みが良い点=規則正しい繊維でハサミでもカットOKまた家庭用ミシンもOKです。(中敷のネームも家庭用ミシンで縫いつけていたりします。)
※厚めの革=アレンジ革やヌメ系統の革、こちらは家庭用ミシンで縫えなくはありませんが多少困難になります。ご注意下さい。

下記の各仕上げ方法には個々にメリットとデメリットありますので各商品内のコメントをご覧下さい。
 

ワントップ(素上げ)仕上げ

ソフトで肌触りよく医療系や義足靴など、足あたりのよい靴などに使われます。仕上げ方法から天然の素に近い仕上げですのでキズ・色ムラ等目立ちます。
 

ラッカー(顔料)仕上げ

色のバリエーションから素材の扱いやすさで小物などの品を作るには適した革です。馬革(ホースレザー)の中では、1番扱いやすく基本の仕上げになります。ツヤ有り・マット・ハーフマットと最終仕上げが異なります。仕上げ方法的にワントップ(素上げ)仕上げよりキズなど分かりづらくなりますが肌触り・天然感が減ります。
 

パール仕上げ

真珠の発色(貝殻を磨り潰した感じの色よく言われるのが、真珠の様な発色を示します)をラッカー(顔料)的塗料仕上げの後に、又は共に吹きつけ栄える輝きや光沢感を与えます。仕上げ的に通常より一膜多く吹かれている為にシワになりやすいです。手もみなど意図的にシワ出しを行うと凹凸により、光を良く乱射しますので趣があるものが作れるかもしれません。
仕上げ方法的にラッカー(顔料)仕上げと同じくワントップ(素上げ)仕上げよりキズなど分かりづらくなりますが肌触り・天然感が減ってしまいます。
 

メタリック・ハイパール仕上げ

パールより粒子の大きい顔料のメタリックや一膜多くアルミをひいて発色を高めるハイパールは、綺麗な光沢感がある反面、パールよりシワになりやすい欠点があります。手モミにてシワ入れをするとパールよりハッキリしたイメージの違いがでます。ハイパールは乱反射する感じに、メタリックは重厚さある感じに変わります。そのままとモミで2通り楽しみ下さい。(商品の詳細説明内に記載あります)
仕上げ方法的にラッカー(顔料)仕上げと同じくワントップ(素上げ)仕上げよりキズなど分かりづらくなりますが肌触り・天然感が減ってしまいます。

 

当社販売の豚革(ピッグスキン)の特性

詳しくは「豚革(ピッグスキン)」もご覧下さい。
 

豚革

豚皮特有の三つ穴(毛穴)があります。通気性の良さで従来より靴の裏革(ライニングレザー)、中敷などに特にブーツの品に多く使われている革です。ここ最近は馬革(ホースレザー)同様に、小物系から袋物と多方面からの使用が増えつつあります。厚さは、0.6mm〜0.8mmです(厚さが異なる場合は商品説明に記載しております)豚革も馬革同様の繊維質になりますので、ハサミOK・家庭用ミシンOK、同じ見解になりますので、上記馬革を参照下さい。
※厚めの革=アレンジ革やヌメ系統の革、こちらは家庭用ミシンで縫えなくはありませんが多少困難になります。ご注意下さい。

下記の各仕上げには個々にメリットとデメリットありますので各商品内のコメントをご覧下さい。
 

素上げ仕上げ

天然皮革の素材そのままを生かす仕上げにて、タッチ感とナチュラル感が優れた仕上げです。色出しが難しい商品ですが、当社が1番力を入れている素材の1つで、色のバリエーションを多く在庫しています。吟面(表面)・スエード調(裏面)共に使える品です。(※スエード調ですスエードではありません。)ただし染料染めの為に色止めが出来ません。色の濃い革は色落ちが目立ちますので各商品内のコメントをご覧下さい。
仕上げ方法から天然の素に近い仕上げですのでキズ・色ムラ等目立ちます。
 

ノンクロム・パステル

素上げ仕上げに近い素材で色彩良く色落ちもほとんどありません。人と環境に優しいエコ素材といわれる品です。こちらの薬剤は値段高騰の為に在庫が無くなり次第廃盤になります。
 

ノンクロム・トップ

ノンクロムパステル同様のなめしで人と環境に優しい、エコ素材といわれる革を使用しています。仕上がり的には素染めに近く、素上げ仕上げの欠点の色落ちを、吟面(表面)に膜を張ることにより止める効果があります。当社は1工程のトップより効果の長いバインダーをとおした2回の工程をした2トップになります。
現状ノンクロムの注文が減っておりクロムでのトップ加工の依頼が増えていますので、商品は在庫無くなり次第にクロムのトップに変更となります。
 

ラッカー(顔料)仕上げ

素上げに比べてラッカー塗料を施すことでキズをある程度隠せて、色合いのロットブレも少なく継続で安定供給出来る品です。首・脇・腹部分に吟浮きが起こる欠点が有ります。仕上げ方法的に素上げ仕上げよりキズなど分かりづらくなりますが肌触り・天然感が減ります。
 

パール・メタリック仕上げ

豚革特有の三つ穴が馬革(ホースレザー)のパールとは異なる発色をかもし出します。ラッカー革と同様に素上げの時見えた薄いキズなどは目立たなくなりますが、ラッカー革より首・脇・腹部分に吟浮きが起こる欠点が目立つ商品もあります。
仕上げ方法的にラッカー(顔料)仕上げと同じく素上げ仕上げよりキズなど分かりづらくなりますが肌触り・天然感が減ってしまいます。

 
色落ちに関しましては、当社入荷の際にチェックをして基準値を超す場合は再仕上げをしております。(素上げ素材・特殊加工素材を除く)但し、取り扱いの際のシンナー系の使用にて裏面(毛羽立ち面)を牛革・生地にて接着しますと揮発する時には、通気性の高いライニング素材(裏革)に抜けていきます。急いで商品を作成されたりしますと十分に揮発されない恐れがございます。揮発されないシンナーが塗膜の中に漂って吟を浮かしている状態にて極度の摩擦・粘着系の付着等ありますとラッカー素材やパール系素材は吟面(銀面)部分の剥離がおきます。ご注意下さい。

またストレスをかかえた状態や体調不良の状態にて、靴をお履きになると足裏より通常でも汗が分泌されていますが、通常以上に気付かない量の汗が分泌していることがございます。調子の悪い状態やストレス・過度の緊張感ある時は、強い汗の成分により中敷きの色落ち・革剥離を起こすことがございます。ご理解の程、宜しくお願い致します。


「革について」
  1. 革とは 
  2. 革の特性と注意点
  3. 原皮の種類 
  4. 製品革のバリエーション 
  5. なめしによる革の種類 
  6. 革の仕上げ方法 
  7. 革の出来るまで 
  8. 学術名 
  • 当社扱いの馬革(ホースレザー)について
  • ライニングレザーって?
  • 本革は畜産廃棄物を有効活用したエコでサステナブルな天然素材

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